こんにちは、北風と太陽ぶどう園のニーナです。
赤系のブドウは着色が難しく、黒系とも緑系の品種とも違う味の美味しいぶどうであるにもかかわらずあまりつくられていません。
北風と太陽ぶどう園でも、クイーンニーナとサマークイーンの2種類を栽培していますが、2年目の現在売り物として販売できるようなものを作れていません。
では着色させるためにはどうしたらいいのか?対策を2つまとめました。
赤系品種の着色の難しさ
写真は白色袋を被せて栽培したサマークイーンです。
「もっと色がでたら収穫かな?」と思う見た目をしていますが、これで糖度18℃、収穫適期です。
これでは店舗に並んでいても手が伸びないですよね。
サマークイーンは実がしっかりしていて食感が良く、すっきりとして癖のない甘さの美味しいぶどうで、正直、同時期に出回る黒系品種より圧倒的に美味しい(※個人的見解です)ので残念でなりません。
では着色を向上させるにはどうすればいいのか?
着色向上対策
ぶどうの着色は太陽の光と気温に関係すると言われています。
簡単に言うと、房に光を当て、25℃以下の遭遇時間を長くできれば着色が向上します。※品種にもよります。
透明袋と傘を併用
房に光を当てるとどうしても果焼けが発生してしまうので、適切な遮光を行わないといけません。
そこで透明袋で房を守りつつ光を当て、 傘 を使って遮光します。
しかし透明袋は微細な穴があいていて農薬散布(ボルドーなど)をすると果実がよごれてしまいます。
そこで、ベレーゾーン期終了(着色前)までは白色袋を使い、その後透明袋にかけかえます。
6月 | 6月~7月 | 7月~収穫まで |
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傘かけ | 白色袋 | 透明袋かけ変え |
これ以外にも反射シートなどで着色向上を図ることができます。
適正着果量やLAlを守ろう
透明袋や傘を使っても着果過多だと着色しないので気をつけましょう。
適正着果量は品種によって変わりますが、大玉品種だと10a当たり1.5t程度が目安になると思われます。
LAIは地上の面積(1)に対し葉の面積を表したもので、葉の全体量が地上の面積の2培~2.5培になるのが適正です。
しかしLAIを測るのは困難です。
環状はく皮
満開30~35日にぶどうの主枝を円状に浅くはく皮することで養分を遮断し着色するホルモンの動きを促進させることで着色を向上させる方法です。
【やり方】
- 主枝(亜主枝か片側主枝)をはく皮ナイフで5mm幅に目安をつけます。
- マイナスドライバーで緑の部分を取り除きます。この時道管を傷つけないようにしましょう。
- 保護テープ(ガムテープ、ビニールテープ)をまき癒合させます。2週間~1か月で取ります。
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環状はく皮のリスク
環状はく皮は樹を傷つけるため枯れるリスクがあります。
弱っている樹には行わないようにすること、道管を傷つけないようにしましょう。
処理時期や薄皮が残ると効果が劣るので気をつけましょう。
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