こんにちは、北風と太陽ぶどう園のニーナです。
シャインマスカットのジベレリン処理の方法についてご存じでしょうか。
実はジベレリン処理といってもいくつか方法があります。今まではジベレリン単用の2回処理が主流でしたが、“確実に種なしにしたい”、“果粒を大きくしたい”などの理由によりジベレリン処理の方法も変わってきています。
今回紹介するのは、現在の主流である2回処理法と1回処理法です。
ジベレリン処理って?
ジベレリン処理とは、ぶどうの種を抜くための処理のことを言います。
最近はジベレリンに加え、ストレプトマイシンやフルメットなどの溶剤を使うこともあり、ジベレリン処理というよりは無核化(種なし化)処理という方が正しいでしょうか。
また、無核化に加えて粒肥大効果も含まれます。
ジベレリン処理には2回処理法と1回処理法があります。2回処理法が種なし化、品質共に優位性がありよく行われてきましたが最近では品質の差があまり見られないことから省力的な1回処理法が行われることも多くなっています。
ジベレリン液剤の作り方
販売されているジベレリンは、粉剤と錠剤がありますがほとんどは2ℓの水に1袋または1錠を溶かすことで25ppmになります。
ジベレリン2回処理法
※2回処理法では食味が下がる恐れがあることからフルメットを加用しません。
【特徴】
- 果粒は縦長
- 果粒は1回処理に比べ大きくなる
- 種抜け率が高い
【やり方】
ストレプトマイシン(アグレプト液剤)は、花穂にしっかりかかるように樹全体に散布します。
1回目の処理は満開~3日以内を目安に行います。
1回目は溶液が乾きにくい環境が理想であるため、水を園内に散布し、午後3時ごろに行いましょう。
2回目の処理はすぐ乾くように午前中に行います。
花穂浸漬後、房を振るって余計な溶液を落とします。
留意点
- 1回目の処理が早いと小粒果(ショットベリー)の着生が多くなったり、主軸が湾曲しやすくなる
- 逆に遅いと着粒の不安定につながる
- 2回目の処理が遅れると粒は大きくなるが糖度が下がる
ジベレリン1回処理法
【特徴】
- 果粒は球型になる
- 主軸や枝梗が伸びない為、粒が密着した縦長の果房になる
- 粒の大きさが2回処理より劣る為、早期に摘粒し粒肥大を促す。
▼早期摘粒は粒が小さく判断がつきにくいことからこれっきり摘粒法と組み合わせることをおすすめします。
【やり方】
ストレプトマイシン散布は葉10枚頃(開花前)を目安に行います。
ジベレリン処理は、1回処理と同様に園内に水を散布し湿度を高くした上で午後3時を目安に行いましょう。
留意点
- 摘粒はジベレリン処理後3日後に行うが、早期摘粒で味が落ちる場合はジベレリン及びフルメットの濃度を下げた方が良い(翌年)。
- フルメットが高価
まとめ
実際の農業の現場では作業が省力化できる1回処理法にニーズが高まっていますがフルメットがかなり高価であるためデメリットもあります。
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